現在の供養方法に提言があります。 住職ごあいさつ
墓地供養の時代から納骨壇供養へ、そして常楽塔供養へ。
墓地による故人の供養は、決して長い歴史があるわけではありません。江戸時代から墓地に埋葬する慣習が始まりましたが、当初は身分の高い人々だけで一般的に広まったのは江戸時代の後期、ですからまだ百数十年の歴史しかありません。納骨壇はさらに近年になってから始まったものですから、半世紀も経っておりません。しかしながら、どの供養方法であっても「家」を継承していくことが前提であったために、子供に供養を依頼することになったり、独居世帯では自分自身の供養をしてくれる存在がなく無縁墓となってしまう心配も出てきました。少子化により子供が女性だけだったりしたら、それこそ実家の供養も絶えてしまうことも現実となりました。樹木葬や散骨といった供養の方法が注目され始めたのも、こうしたことが原因ではないでしょうか。
最近増えてまいりました「墓じまい」も、供養の後継者が不在となってきたからなのです。このように現行の供養の方法だけでは救えない、多くの方々のために困難となってしまった供養を改善すべく、常楽塔による寺院供養を始めました。
常楽塔による供養が、時代に則したこれからの供養方法になると考え、当院でも進めていく次第でございます。
合掌
井上世祐


供養の心を大切にしたい
供養するということは、生前に私たちに向けられた故人の温情を想うことであり、自分たちがこうして今あることにも感謝することではないでしょうか。手を合わせる。多くの人との繋がりを自覚する。この厳かな時間を大切にして、生きていきたいものです。



この世に生きてきた証を残したい
供養される側に立てば、誰でもこの世に生を受けて学び、遊び、友と集い、社会の中で生き、そして家庭を築き、家族を守り、やがて年老いて終焉を迎えます。たとえこの世に存在しなくなるとしても、自身の生きてきた足跡を残しておきたいものです。その証も継承者が不在となって消え去るのではなく、永く守り続けて頂くことができれば本望ではないでしょうか。